ペットと住まいの寄り添いトレーナー 佐藤👨です。千葉県東葛地区を起点にペットショップと連携しながら対応。オンラインを駆使した家庭犬専門しつけの教室。しつけ以外に、犬の特性に基づいた飼い方、住まいでの環境設定他幅広に情報提供しております。他にない犬知識提供のオンラインセミナーと併せ、褒める実技指導を行っています。

犬のトレーニングにおいて「コマンド(指示語)」は、犬との意思疎通を図るための最も基本的かつ重要な要素です。しかし、単に「座れ」「待て」と言葉を繰り返しても、犬が確実に反応するようにはなりません。コマンドは、タイミング・一貫性・感情のコントロール・環境設定・報酬の使い方など、多くの要素を総合的に考慮し教える必要があります。継続は力なり、我が家のコロンとは目と目で通じ合っております。
1.コマンドは「短く・明確に・一貫して」
犬は人間のように文脈や長い言葉を理解できません。そのため、コマンドは1〜2語以内で短く明確にすることが原則です。
たとえば、「おすわりして待っててね」では犬は混乱します。これを「スワレ」「マテ」のように一語で伝えることが理想的です。
さらに重要なのが「一貫性」です。日によって「スワレ」と「座れ」など言い方を変えると、犬は別の指示だと認識してしまいます。家庭内で複数人が犬を扱う場合も、全員が同じ言葉・同じトーン・同じジェスチャーを用いるよう統一する必要があります。これが崩れると、犬は「誰の言うことを聞けばいいのか」わからなくなり、反応が鈍くなります。
2.トーン(声の調子)とボディランゲージの一致
犬は言葉そのものよりも、声のトーンや身体の動きを敏感に読み取ります。
・褒めるときは明るく高めの声(例:「イイコ!」)
・注意するときは低く短く(例:「ダメ」)
このように、感情と声の高さの一致が犬の理解を助けます。逆に、叱るつもりで高い声を出したり、褒める時に低く落ち着いた声を出すと、犬は混乱します。
また、ボディランゲージも極めて重要です。犬は人間の表情や姿勢、目線の動きで感情を読み取ります。コマンドを出す際は、姿勢を正し、視線を犬に向けることで集中を促します。背を丸めたり、横を向いたまま指示すると、犬は「本気で言っていない」と感じて従わなくなります。
3.タイミングの正確さ
犬は「行動」と「結果」を2〜3秒以内に関連づけて学習します。したがって、正しい行動をした瞬間に報酬を与えることが不可欠です。
たとえば「座れ」と言って数秒後におやつを渡すと、犬は「おやつをもらうために立ち上がった」ことを覚えてしまうこともあります。
したがって、褒めるタイミングは「行動の瞬間」。これはしつけ成功の最重要ポイントです。タイミングを逃すと、どれだけ優れたコマンドでも定着しません。トレーナーの腕の差は、まさにこの「タイミングの精度」に現れます。
4.報酬の使い方と段階的な減らし方
トレーニング初期は、おやつなどの**高い報酬(一次強化子)**を使って行動を強化します。犬にとって行動のモチベーションを作る大切な要素です。しかし、いつまでもおやつ頼みだと、犬は「ごほうびがある時しかやらない」状態になります。
したがって、習熟度に応じて徐々に報酬の頻度を下げ、**言葉の褒め(二次強化子)へ移行するのが理想です。例えば最初の10回は毎回おやつ、次の10回は2回に1回、さらに褒め言葉を併用する、といった段階的移行を行います。
報酬を減らす際に大切なのは、犬のやる気が下がらないように「予測不能なタイミング」で褒めることです。いわゆる変動比率強化を取り入れると、犬は「次こそ褒められるかも」と期待し、集中力が長続きします。
5.環境要因と集中の確保
犬がコマンドに反応できない理由の多くは「理解不足」ではなく、「環境要因による注意散漫」です。
・周囲に他の犬がいる
・音や匂いの刺激が強い
・トレーナーの集中が切れている
こうした環境下では、どれほど訓練された犬でもコマンドに従えないことがあります。
そのため、初期トレーニングは刺激の少ない静かな場所で行い、徐々に人通りの多い公園などへステップアップすることが重要です。
また、コマンドを学ばせる際には、1セッション10分以内が望ましいです。犬の集中力は長く続かないため、短時間で区切り、こまめに成功体験を積ませる方が学習効率が上がります。
6.失敗の扱い方
犬がコマンドに従わなかったとき、感情的に叱ることは逆効果です。叱られることが増えると、犬は「コマンド=不快な経験」と結びつけ、指示自体を避けるようになります。
正しい対応は、「再現・修正・成功体験」。つまり、犬が失敗した場合は一歩前の段階に戻り、できる行動から再度成功させて終わることです。
たとえば「待て」で動いてしまった場合、「短時間の待て」で成功させてから終わることで、犬は「成功=安心=楽しい」と感じ、次への意欲が保たれます。
7.感情の安定とリーダーシップ
犬は人の感情を非常に敏感に読み取ります。焦りや怒り、不安はそのまま犬の行動不安として現れます。したがって、常に落ち着いたリーダーシップを保つことが必要です。
リーダーシップとは「支配」ではなく「信頼」です。犬が安心して指示に従えるよう、明確で穏やかな態度を維持することが大切です。飼い主の感情が安定していれば、犬は「この人の言うことを聞いていれば安心」と学び、コマンドへの反応が安定します。
8.ジェスチャー(視覚コマンド)の併用
言葉のコマンドに加え、ハンドシグナルを併用すると、犬の理解度が飛躍的に上がります。特に、聴覚が衰えた高齢犬や、周囲が騒がしい場所では、視覚的サインが非常に有効です。
例えば、
・「スワレ」=手のひらを上に向けて上げる
・「マテ」=手のひらを前に出して止める
このように一貫した動きを設定し、声と動作をセットで教えることで、犬はどちらの刺激からも指示を理解できます。
9.終わり方にも注意する
トレーニングの最後は必ず成功と褒めで締めることが重要です。最後が叱責や失敗で終わると、次回の訓練への意欲が著しく低下します。たとえ練習途中で失敗が続いても、簡単なコマンド(例:「お座り」)を成功させ、「よくできたね」で終えるようにします。
犬へのコマンドトレーニングで最も大切なのは、「言葉を教えること」ではなく、人と犬の信頼関係を築くことです。コマンドはその信頼をベースに成り立ちます。
しつけの究極の目的は「命令に従うこと」ではなく、「共に安心して生きる関係」を築くことだと思います。コマンドはそのための言語であり、犬との対話の架け橋なのです。
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