ペットと住まいの寄り添いトレーナー 佐藤👨です。千葉県東葛地区を起点にペットショップと連携しながら全国展開対応中。オンラインを駆使した家庭犬専門しつけの教室。 しつけ以外に、犬の特性に基づいた飼い方や健康管理、住まいでの環境設定等幅広に情報提供しております。他にない犬知識提供のオンラインセミナーと併せ、褒めるトレーニングによる指導を行っています。

先日、友人のワンコに嘔吐が続いているということを聞きました。色んなケースで嘔吐する場合があると思います。参考に調べてみました。ご参考までに！

犬が嘔吐するという症状は、日常的に飼い主が目にすることが多いものですが、その背景には実に多様な要因が潜んでいます。嘔吐は胃や消化管そのものの異常だけでなく、全身性の疾患、内臓のトラブル、さらには精神的なストレスまで影響するため、症状の観察が非常に重要となります。犬は比較的簡単に吐く動物で、人間が「病気かな」と感じるレベルでも、犬にとっては“通常の生理反応”である場合もあります。しかし一方で、放置が危険な重大な疾患のサインであることも少なくありません。

１．食事に関連する原因

もっとも頻度が高いのが「食べ物」や「食べ方」に起因する嘔吐です。

（1）早食い・食べすぎ

犬は本能的に食べ物を勢いよく飲み込むことがあり、結果として胃に負担がかかります。急激に胃が膨らむと、胃は内容物を逆流させて吐き戻すことがあります。この場合、ほとんど未消化のフードがそのまま出てくるのが特徴です。

（2）フードの急な変更

食事を急に変えると腸内細菌のバランスが乱れ、消化不良を起こします。この際の嘔吐は下痢を伴うことも多く、特に慎重な移行が必要です。

（3）不適切な食べ物の摂取（誤食）

人間の食べ物の中には、犬にとって有害な物が多くあります。玉ねぎ、チョコレート、キシリトール、ぶどうなどは有毒で、摂取後に嘔吐が見られることが一般的です。また、ゴミ箱を漁る習慣のある犬は、腐敗した食べ物や異物を誤飲し嘔吐することがあります。

２．胃腸のトラブルに起因する嘔吐

（1）胃炎・腸炎

急性胃炎は突然の嘔吐を引き起こし、原因はストレス、食べ物の変化、細菌など様々です。慢性胃炎の場合、持続的な嘔吐が特徴で、空腹時に黄色い液体（胆汁）を吐くこともあります。

（2）異物の摂取

おもちゃ、骨、布などが胃や腸に詰まると嘔吐が起こります。部分的に詰まっていると嘔吐を繰り返し、完全に閉塞すると命に関わる緊急事態です。

（3）胃拡張・胃捻転症候群

大型犬に多い致命的な病気で、胃が異常に膨らみ、場合によっては捻れて血流が途絶します。吐きたくても吐けない・よだれが多い・お腹が膨らむなどの症状があり、緊急手術が必要です。

３．感染症による嘔吐

（1）パルボウイルス感染症

子犬に非常に多い重篤な感染症で、激しい嘔吐と血便が特徴です。ワクチン未接種の場合、致死率が高いため迅速な治療が必須です。

（2）ジステンパー

消化器症状のほか、神経症状や呼吸器症状も併発する感染症です。嘔吐は初期症状として見られることがあります。

（3）細菌感染・寄生虫

細菌性腸炎、回虫や鉤虫などの寄生虫感染も嘔吐を引き起こします。寄生虫は子犬にとくに多く、嘔吐したものの中に寄生虫が混じる場合もあります。

４．中毒による嘔吐

農薬、殺鼠剤、洗剤、観葉植物などの有毒物質を摂取した場合、体が排出しようとして嘔吐を起こします。中毒の嘔吐は突然発生し、震え、よだれ、痙攣などを伴うことが多く、非常に危険です。

５．内臓疾患による嘔吐

嘔吐は胃腸以外の臓器の病気によっても引き起こされます。

（1）肝臓疾患

肝臓は解毒・代謝に関わるため、機能が低下すると毒素が体内に蓄積し嘔吐を誘発します。

（2）腎臓疾患

腎不全に陥ると血中の老廃物が排出できず、体が拒絶反応として嘔吐します。尿の量や色の変化も見られます。

（3）膵炎

高脂肪食などがきっかけで膵臓が炎症を起こすと、激しい嘔吐、腹痛、ぐったりする等の症状が現れます。重症化しやすく早期治療が重要です。

６．ホルモン異常

副腎皮質機能低下症（アジソン病）では、嘔吐、下痢、食欲不振が見られます。症状が波のように現れては消えるため見逃されがちですが、治療が必要な疾患です。

７．ストレス・心理的要因

環境の変化、留守番、雷などの強いストレスが原因で嘔吐することもあります。いわゆる「心因性嘔吐」で、消化器に異常がなくても起こります。

８．乗り物酔い

車に弱い犬は、乗っている間に嘔吐することがあります。これは平衡感覚の問題で、酔い止め薬の使用で対策できます。

犬の嘔吐は軽症から重症まで幅が広く、原因も多岐にわたります。
以下のような場合はすぐ動物病院へ行くべきです：

• 嘔吐を短時間に何度も繰り返す
• 血が混じる
• 元気・食欲がない
• 下痢を伴う
• 異物を飲み込んだ可能性がある
• お腹が膨れている
• よだれが多く、苦しそう

嘔吐は犬からの重要なサインです。日頃から様子の変化に敏感になり、早めの対処を心がけましょう。

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