ペットと住まいの寄り添いトレーナー 佐藤👨です。千葉県東葛地区を起点にペットショップと連携しながら対応。オンラインを駆使した家庭犬専門しつけの教室。しつけ以外に、犬の特性に基づいた飼い方、住まいでの環境設定他幅広に情報提供しております。他にない犬知識提供のオンラインセミナーと併せ、褒める実技指導を行っています。

トレーナー仲間のワンコが手術するため、輸血が必要になるとの事を聞きました。
人間の場合は、分かりますが犬の場合はどんな対応になるのか調べてみました。
犬の血液型は、人間のように A 型・B 型・O 型といった単純な分類ではなく、より複雑で多くの種類が存在するようです。血液型は輸血の適合性や医療上の安全性に関わる重要な情報であり、特に緊急時の輸血や外科手術を行う際に不可欠な知識となると思いますので、ご参考にしてください。
1. 犬の血液型の体系
犬の血液型は「DEA(Dog Erythrocyte Antigen:犬赤血球抗原)」と呼ばれる分類で整理されている。この DEA システムには複数の抗原があり、代表的なものは以下のとおり。
- DEA 1
- DEA 3
- DEA 4
- DEA 5
- DEA 7
- DEA 8
この中で最も重要視されるのが DEA 1 である。DEA 1 はさらに細かく分けられ、現在の臨床では単に DEA 1 陽性(Positive)・陰性(Negative)として扱うことが多い。
2. DEA 1 の重要性
犬の輸血医療で最も問題になるのが DEA 1 の適合性である。
(1)DEA 1 陽性と陰性の違い
- DEA 1 陽性(DEA 1+)
→ 強い抗原性を持ち、輸血時の不適合反応を引き起こす可能性が高い。 - DEA 1 陰性(DEA 1−)
→ DEA 1 抗原を持たないため、陽性血を受けると抗体を作り、2 回目以降に重篤な反応が生じる。
(2)初回輸血では重篤な反応が起こりにくい理由
犬は人間と異なり、生まれつき特定の血液型に対する抗体を持っていない。そのため、初回の輸血では DEA 1 が不適合でも激しい溶血反応が起きる可能性は低い。ただし、初回の不適合輸血によって抗体が形成され、2 回目以降は急性溶血反応を起こすリスクが非常に高くなる。
3. その他の DEA 抗原について
(1)DEA 4
ほとんどの犬が DEA 4 陽性であり、不適合輸血のリスクが低いとされる。
(2)DEA 7
DEA 7 は遅発性溶血反応の原因になることがある。DEA 7 陽性血を DEA 7 陰性犬に輸血すると、数日〜数週間後に赤血球の寿命が短くなる場合がある。
(3)DEA 3・5・8
これらの血液型も存在するが、臨床現場で問題になる頻度は DEA 1 や DEA 7 に比べると少ない。
4. 犬の血液型分布(犬種との関係)
犬種と血液型の間には一定の傾向があるとされる。
- DEA 1 陽性が多い犬種:
ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー、ジャーマン・シェパードなど - DEA 1 陰性が比較的多い犬種:
グレイハウンド(供血犬として利用される理由の一つ)
シベリアンハスキー、ボクサーなど
ただし、個体差が大きいため、犬種で血液型を判断することはできず、個別の血液検査が不可欠である。
5. 犬の輸血における注意点
輸血では、血液型だけでなく、交差適合試験(クロスマッチ)の実施が重要である。
(1)交差適合試験とは
輸血前に供血犬と受血犬の血液を混ぜ、不適合反応が起こらないかを確かめる検査である。
●主な検査
- メジャークロスマッチ
受血犬の血漿 × 供血犬の赤血球
→ 受血犬が供血犬の赤血球に反応しないかをチェック - マイナークロスマッチ
供血犬の血漿 × 受血犬の赤血球
→ 供血犬の抗体が受血犬の赤血球を壊さないか確認
最も重視されるのはメジャークロスマッチである。
(2)初回輸血での注意点
先述したように、犬は自然抗体を持たないため、初回輸血では致命的な反応は起こりにくい。しかし、
- できる限り DEA 1 の型を事前に検査する
- 可能なら 交差適合試験を行う
という対応がベストである。
(3)2 回目以降の輸血
一度 DEA 1 不適合の輸血を受けると、犬の体内で抗 DEA 1 抗体ができ、再輸血で急性溶血反応を引き起こすリスクが極めて高い。
症状は次の通り:
- 急激な血圧低下
- ショック
- 発熱
- 赤褐色尿(血色素尿)
- 死亡の危険
そのため、輸血歴のある犬は血液型検査とクロスマッチが必須となる。
6. 犬の血液型と日常生活
(1)緊急時の迅速な対応
事故、急病、手術などで輸血が必要な場合、
- 氏名・住所・かかりつけ病院情報
- 血液型(DEA 1 の有無)
- 過去の輸血歴
がわかれば、治療を迅速に開始できる。
(2)供血犬としての登録
血液提供をするドナー犬は一定条件を満たす必要があり、安全な輸血医療に貢献できる。特に DEA 1 陰性の犬は希少で、医療的価値が非常に高い。
(3)多頭飼いの家庭での配慮
複数の犬を飼っている家庭で、もし輸血の必要が生じた場合、血液型を把握していれば、緊急時の判断がスムーズになる。
もちろん、家庭内で安易に直接輸血することは危険であり、必ず獣医師による適合判定が必要である。
7. 血液型検査の方法
血液型検査は動物病院で実施できる。
●手法の例
- カード法(簡易キット系)
- 試験管法
- 専門検査機関での分析
多くの一次病院では、DEA 1 のみ測定可能な簡易キットが利用される。
ヘモグルビン濃度が低すぎる場合や、溶血がある場合には測定が困難なこともある。
8. 犬の血液バンクの存在
欧米や日本の一部大学病院などでは、犬の血液バンクが存在し、
- 健康な供血犬の登録
- 血液型別の保存
- 輸血治療への供給
が体系化されつつある。これにより、輸血の安全性が高まっている。
緊急医療への備えとして、犬の血液型(特に DEA 1 の有無)を把握しておくことの意義は大きく、輸血歴がある場合は必ず獣医師に伝えることが大切である。また、健康な犬が供血犬として登録されることで、救える命が増えるという点でも犬の血液型に関する理解は重要であるようです。
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