ペットと住まいの寄り添いトレーナー 佐藤👨です。千葉県東葛地区を起点にペットショップと連携しながら対応。オンラインを駆使した家庭犬専門しつけの教室。しつけ以外に、犬の特性に基づいた飼い方、住まいでの環境設定他幅広に情報提供しております。他にない犬知識提供のオンラインセミナーと併せ、褒める実技指導を行っています。

個人的な指導方法として、飼い主様のご自宅へ出張し、飼い主様が愛犬をしつける基本的な指導をさせて頂いております。また、意識の高くない方には、始めからお断りの説明をさせてもらっています。中途半端な対応だと、愛犬が差ほど変わらず、折角頂くお金と時間が無駄になってしまうからです。日本でも海外の様にしつけに関する意識が高くなると良いなと日頃感じでおります。

ドッグトレーナーが飼い主を指導する理由

犬の行動改善や問題行動の予防において「飼い主の行動・環境管理」が最も大きな影響力を持つためである。犬は日々の生活を共にする家族の行動や接し方を基準に学習し、長期的な行動パターンを形成する。専門家であるトレーナーが短時間だけ直接犬に接しても、飼い主がその内容を理解し継続できなければ、犬の行動は定着しない。したがって、トレーナーが飼い主に対して正しい知識・技術・判断基準を伝えることが、犬の行動改善における根幹となる。

第一に、

犬の学習は「一貫性」と「継続性」が必須である。一貫性のない接し方は犬に混乱を生む。
例えば、吠えたときに家族の誰かは無視し、別の家族はなだめ、また別の家族が叱るというように対応が異なると、犬はどれが正しい行動なのか判断できない。この結果、吠えが悪化したり、新たな問題行動が発生する。飼い主全員が同じ基準で行動できるようにするには、トレーナーがルールづくりを主導し、適切な対応方法を伝える必要がある。継続性においても同様で、しつけは一度で終わらず生活全体に浸透させなければならない。犬は習慣によって行動を定着させるため、日々の積み重ねが不可欠である。トレーナーが飼い主に対して、どの行動をどう強化し、どのタイミングで褒め、いつ無視すべきかを具体的に指導することで、継続的なしつけが可能となる。

第二に、

問題行動の多くは犬自身ではなく「環境」や「飼い主の関わり方」に原因がある。吠え、噛みつき、散歩の引っ張り、留守番の不安行動などは、犬の性格や本能だけで生じるわけではなく、生活環境、刺激量、運動量、飼い主の対応の積み重ねから形成される。
例えば、散歩不足が続けばエネルギーが余り、要求吠えや破壊行動が増える。来客時の興奮は、家族が来客に対しての反応を毎回変えてしまうことで悪化することがある。トレーナーが飼い主を指導するのは、問題行動の原因を飼い主が適切に理解し、行動や環境を整えられるようにするためである。犬の行動だけを矯正しようとするのではなく、生活全体の見直しを行い、犬が落ち着いて過ごせる環境を作ることが最も効果的である。

第三に、

犬とのコミュニケーションは「人間側の誤解」によってトラブルが起きることが多い。犬は言葉を理解しているように見えて、実際には人間のトーン・動作・タイミング・学習経験から行動を判断している。飼い主が無意識に与えているサインが逆効果になっている場合は少なくない。
例えば、吠えを止めさせようとして犬の名前を呼ぶと、犬は「注目を得た」と学習し吠えが強化されることがある。また、怖がっている犬を慰めるためになでると、犬は「怖がる行動が正しい」と理解し、不安行動が長期化する。誤ったコミュニケーションは犬を苦しめるだけでなく、問題行動の固定化にもつながる。トレーナーは飼い主に対して犬のボディランゲージの読み取り方、適切なコミュニケーションの方法、行動に対する正しいタイミングの取り方などを指導し、人と犬が互いにストレスなく生活できるようにする。

第四に、

トレーナーが飼い主を指導することで、飼い主自身が「犬の行動を自力で改善できる力」を身につけられる。トレーニングは一度学んで終わりではなく、犬の成長段階、環境の変化、年齢による行動変化に応じて調整が必要になる。子犬期には社会化と基礎マナーが中心であり、成犬期には運動量や精神的刺激の確保、老犬期には健康状態に配慮した行動サポートが必要になる。飼い主が自ら状況に応じて対応できる能力を獲得していれば、犬の一生を通じて安定した生活を提供できる。トレーナーの役割は単に目の前の問題を解決するだけでなく、飼い主に長期的な視点と柔軟な対応力を授けることである。

第五に、

トレーナーによる飼い主指導は、犬と飼い主の関係性を深める効果がある。犬は飼い主との信頼関係を基盤として行動するため、飼い主が犬の感情や行動の仕組みを理解し、適切に接することで、犬は安心し落ち着いて生活できる。信頼関係を築くには、飼い主が犬の気持ちを読み取りつつ、ルールを明確にして安定した行動を示す必要がある。トレーナーがそのプロセスを支援し、飼い主が犬の良い行動を引き出す方法を習得することで、互いにストレスの少ない関係が形成される。

犬の行動改善の中心が日常生活にあるためであり、飼い主が正しい知識と行動を身につけることが、犬の健全な生活と長期的な行動の安定につながるからである。飼い主に寄り添い、犬の一生を支える力を与えることこそ、ドッグトレーナーの本質的な役割となると考えています。

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