ペットと住まいの寄り添いトレーナー 佐藤👨です。千葉県東葛地区を起点にペットショップと連携しながら全国展開対応中。オンラインを駆使した家庭犬専門しつけの教室。 しつけ以外に、犬の特性に基づいた飼い方や健康管理、住まいでの環境設定等幅広に情報提供しております。他にない犬知識提供のオンラインセミナーと併せ、褒めるトレーニングによる指導を行っています。

我が家で飼っていた先代犬はコーギー。迎える時には尻尾を切られていたため、感情等を読み取る事ができませんでしたが、現在コロンは、嬉しい時は尻尾をフリフリします。犬種によって色々な尻尾があることご存じでしたか?
1.犬の尻尾の基本的な役割
犬の尻尾は単なる飾りではなく、身体機能・感情表現・コミュニケーションという三つの重要な役割を担っています。
第一に身体的役割です。尻尾は脊椎の延長であり、走行時や急な方向転換、ジャンプ時のバランス保持に寄与します。特に猟犬や運動能力の高い犬種では、尻尾の長さや可動域が運動性能に直結します。
第二に感情表現です。犬は尻尾の位置・振り方・速度・左右差などを使って、喜び、不安、警戒、服従、攻撃性などを表現します。
第三に社会的コミュニケーションです。犬同士、あるいは犬と人間との間で、尻尾は「非言語的サイン」として重要な意味を持ちます。
2.尻尾の形状による主な分類
犬の尻尾は、形状・長さ・付け根の角度によって、いくつかの代表的なタイプに分類されます。
① 巻き尾(まきお)
尻尾が背中の上にカールするタイプです。
代表犬種:柴犬、秋田犬、甲斐犬、サモエド、ポメラニアンなど。
巻き尾は寒冷地原産犬に多く、寒さから肛門部を守る役割があったと考えられています。また、被毛が豊かで視覚的な存在感が強く、感情表現はやや読み取りにくい傾向があります。
巻きの強さには個体差があり、二重巻き・半巻き・差し尾(背に触れる程度)など細かい違いがあります。
② 差し尾(さしお)
尻尾が背中よりやや低く、水平または緩やかに上がる形状です。
代表犬種:ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー。
最も感情表現が分かりやすいタイプで、左右に大きく振る動きが特徴です。人と協調する作業犬に多く、陽気という印象を与えやすい尻尾です。
③ 垂れ尾(たれお)
通常時は下方に垂れている尻尾です。
代表犬種:ビーグル、バセット・ハウンド、ダックスフンドなど。
匂いを追う嗅覚犬に多く、興奮時には水平~高位に持ち上がります。普段は感情が穏やかに見えやすい反面、恐怖や不安時には脚の間に巻き込む動作が顕著に現れます。
④ 鎌尾(かまお)
鎌のような弧を描く尻尾で、背中に完全には乗らない形です。
代表犬種:シベリアン・ハスキー、アラスカン・マラミュート。
走行時のバランス保持に優れ、雪原や長距離移動に適した構造です。巻き尾よりも感情表現が読み取りやすい特徴があります。
⑤ 鞭尾(むちお)
細長く、ムチのようにしなやかな尻尾です。
代表犬種:グレーハウンド、ウィペット。
高速走行時の方向制御に役立ち、感情表現は小刻みで繊細です。速い犬ほど、尻尾の微細な動きが重要になります。
⑥ 短尾(たんび)
生まれつき短い尻尾、または非常に短い形状です。
代表犬種:フレンチ・ブルドッグ、ボストン・テリア、コーギー(先天性短尾)。
感情表現は尻尾以外(耳・姿勢・表情)に依存する割合が高くなります。近年では断尾を行わない方向が国際的に主流です。
3.尻尾の長さと骨格構造
尻尾は通常、5~23個程度の尾椎で構成されます。犬種によって尾椎の数や可動域は大きく異なります。
長尾の犬は表現力が豊かですが、怪我や骨折のリスクも高くなります。一方、短尾犬は感情を読み取る際、より全身の動きに注目する必要があります。
4.尻尾の動きと感情の関係
形状以上に重要なのが「動き」です。
- 高く大きく振る:喜び・興奮・自信
- 低い位置で速く振る:不安を伴う服従
- 硬く止まる:警戒・緊張
- 脚の間に巻く:恐怖・強い不安
近年の研究では、尻尾の左右差が脳の感情処理と関係することも分かっています。
5.犬種改良と尻尾の変化
人為的な品種改良により、尻尾は機能性よりも外見重視で変化してきました。特定の犬種標準では尻尾の角度や長さが厳密に定められています。
しかし現代では、動物福祉の観点から「自然な尻尾」を尊重する流れが強まり、断尾禁止国も増えています。
6.飼い主が知っておくべきポイント
- 尻尾の形だけで性格を判断しない
- 動き・位置・全身の姿勢とセットで観察する
- 短尾犬ほど耳・目・体重移動をよく見る
- 子犬期から尻尾を触られることに慣らす
特にトレーニングや問題行動の予防には、尻尾の変化を「感情の早期サイン」として読む力が重要です。
犬の尻尾は、形状・長さ・動き・感情・進化・人との関係が凝縮された重要な身体部位です。種類を知ることは、犬を分類するためではなく、犬を理解し、尊重するためにあります。尻尾を正しく読むことができれば、犬との信頼関係は格段に深まります。これは優れたトレーナーや飼い主に共通する、最も基本的で重要な観察力の一つと言えるでしょう。
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