動物に関する5つの自由ついて

ペットと住まいの寄り添いトレーナー 佐藤👨です。千葉県東葛地区を起点にペットショップと連携しながら対応。オンラインを駆使した家庭犬専門しつけの教室。しつけ以外に、犬の特性に基づいた飼い方、住まいでの環境設定他幅広に情報提供しております。他にない犬知識提供のオンラインセミナーと併せ、褒める実技指導を行っています。

関東は梅雨入りしたというのに、真夏のような猛暑になっています。暑さも動物にとってはストレスの一つ。日々、人が考えているより動物はストレスを抱える機会が多いと思います。今一度、こんな視点から考えてみてはいかがでしょうか。

「動物に関する5つの自由(Five Freedoms)」

動物福祉の基本原則として広く知られており、動物が最低限持つべき権利やニーズを明確にしたものです。1965年、イギリス政府の「ブランベル報告書」によって最初に提案され、1993年に「動物福祉評議会(Farm Animal Welfare Council)」によって現在の5つの形式に整理されました。この原則は、ペットや家畜、実験動物など、人間と関わるすべての動物に対して適用される国際的な指針です。

1. 飢えと渇きからの自由

動物は適切な食事と新鮮な水をいつでも取れる状態でなければならない。
この自由は、動物が栄養不良や脱水状態に陥ることを防ぐためのものです。十分な栄養と清潔な水を提供することで、健康的な成長や活動を維持することができます。例えば犬や猫では、年齢や体格、運動量に応じて食事量や内容を調整する必要があります。また、清潔な水が常に手に入ることは、特に暑い季節や病中の動物にとって不可欠です。

2. 不快からの自由

適切な環境(快適な休息場所や気候への配慮など)によって、不快感を避けることが必要です。
動物が体温を調節でき、安心して過ごせる空間を持つことは大切です。気温や湿度、騒音、光などにも配慮しなければなりません。例えば、犬をコンクリートの上で長時間飼うことは関節を痛めたり、夏場には熱中症の危険も伴います。猫には隠れることができるスペースや高い場所も必要です。この自由は、動物の「心地よさ」を守ることを重視しています。

3. 痛み、傷害、病気からの自由

迅速な診断と治療、予防医療などにより、健康が守られるべきであるという自由です。
怪我や病気の予防、早期発見、治療が必要です。適切なワクチン接種や定期健康診断、寄生虫予防などはこの自由を支える大切な要素です。また、明らかに苦しんでいる動物に対して治療を施さないことは、この自由の侵害にあたります。動物の苦痛を見逃さないよう、飼い主は行動や表情の変化にも注意を払う必要があります。

4. 本来の行動を表現する自由

動物が種に応じた自然な行動(遊ぶ、走る、隠れる、群れるなど)を取れるよう、適切なスペースや刺激が与えられるべきです。
動物たちはそれぞれ特有の行動欲求を持っています。犬は散歩や探索、他の犬との交流を楽しみ、猫は狩猟本能に基づいた遊びを求めます。鳥であれば飛ぶことやさえずることが本能です。これらの行動が抑制され続けると、ストレスや異常行動(自傷、吠え続ける、ぐるぐる回るなど)につながります。豊かな環境づくり(エンリッチメント)はこの自由の実現に不可欠です。

5. 恐怖や苦悩からの自由

精神的な苦痛やストレスを感じずに過ごせることも、動物福祉の重要な側面です。
この自由は、肉体的な苦痛だけでなく、心理的な安寧も含まれます。動物は不安や恐怖を感じる存在であり、大きな音、知らない人、無理な拘束などによって強いストレスを受けることがあります。例えば雷や花火の音を極度に怖がる犬も多く、そうした場合は安全な避難場所を用意したり、獣医と相談して対処する必要があります。また、罰を多用するしつけや孤独感も、精神的な苦悩の原因になります。

「動物に関する5つの自由」は、私たち人間が動物に対して持つべき責任と配慮の原点です。これらは単なる理想論ではなく、日常的な飼育や管理の中で実践すべき具体的なガイドラインです。
近年では、日本を含む多くの国で動物愛護法の整備が進められており、この5つの自由の考え方がその根底にあります。動物を飼うということは、その命と幸福に責任を持つということです。言葉を話さない動物たちの代わりに、私たちが彼らの「声」となり、より良い共生社会を築いていく必要があります。5つの自由を理解し、日常生活で実践することは、すべての動物との信頼関係と幸福への第一歩です。

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柏市を起点に犬のしつけの学校及び不動産コンサルティング業務を展開する会社です。
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