介助犬になるには認定が必要?家庭犬との違いと向いている犬種・性格をトレーナーが解説

ペットと住まいの寄り添いコンサルタント 佐藤👨です。
千葉県柏市を起点に、家庭小型犬を中心としたワンちゃんのしつけの学校。
他にあまりない飼い主様への犬知識提供のオンラインセミナーと併せ、陽性(褒める)トレーニングによる伴走出張しつけ指導を行っています。

街中で「介助犬」と表示された犬を見て、「普通の犬とは何が違うの?」「ラブラドールなら介助犬になれるの?」と疑問に思ったことはありませんか。
実は介助犬は、単におとなしくて犬のしつけができているだけではなく、使用者を支えるための訓練を受け、さらに所定の認定を受けた犬です。
 一方で、犬種だけを見て介助犬への向き・不向きを決められるわけでもありません。
トレーナーとして家庭犬を見ていても、同じ犬種なのに性格がまったく違うケースは珍しくありません。
この記事では、介助犬認定の基本から、犬の性格、犬種ごとの特徴、家庭犬のしつけとの違いまで、初心者にもイメージしやすい具体例を交えて紹介します。愛犬との暮らしや犬種選びにも役立ててみてください。

1.そもそも「介助犬認定」とは?普通の家庭犬との違い

まず知っておきたいのが、介助犬は「人を助けることができる犬=介助犬」ではないという点です。

日本では、介助犬は身体障害者補助犬法に基づく身体障害者補助犬の一つです。身体障害者補助犬には、盲導犬・介助犬・聴導犬があり、介助犬は肢体に不自由のある人の日常生活動作をサポートします。

例えば、

  • 落とした物を拾う
  • 指示された物を持ってくる
  • 必要な動作を使用者に合わせて行う

といった仕事があります。

ただし、こうした動作だけができれば認定されるわけではありません。

厚生労働省が公表する認定要領では、介助犬として認定を申請する前に、基礎訓練・介助動作訓練・使用者との合同訓練を終えていることが求められています。

さらに、指定法人による書面審査に加えて、犬の基本動作や介助動作などについて確認が行われます。

つまり、介助犬に求められるのは「芸が上手な犬」というより、使用者と一緒に社会の中で落ち着いて行動できることなのです。

家庭犬のしつけでも、この考え方はとても参考になります。

「オスワリは家なら完璧なんです。でも外に出た瞬間、私の声が聞こえなくなるんです」

これは、私が犬のしつけ相談でよく耳にする言葉です。

家のリビングでできることと、人や犬、車、音など刺激の多い場所でできることは別問題です。

介助犬の認定でも、不特定多数の人が利用する施設などで実地の確認を行うことが定められています。

「できる動作の数」だけではなく、「環境が変わっても人と協調して行動できるか」

この部分は、家庭犬を育てる飼い主さんにもぜひ知ってほしいポイントです。

2.介助犬になりやすい犬種はある?3犬種から考える「犬の性格」

「介助犬にはラブラドールが多いイメージがあります。犬種で決まるのでしょうか?」

こうした質問もあります。

結論からいえば、介助犬認定は「この犬種でなければならない」という考え方ではありません。
認定に関する公的な規定では犬種を記録する項目はありますが、重要なのは必要な訓練を受け、介助犬として求められる能力を備えているかどうかです。

そこで、介助犬を考える際にイメージしやすい3犬種を例に、犬種ごとの特徴を見てみましょう。

ラブラドール・レトリーバー

ラブラドール・レトリーバーは、人との共同作業をイメージしやすい犬種です。

物をくわえて運ぶことを楽しむ傾向が見られる犬もおり、人と関わることが好きな個体ならトレーニングを進めやすい場合があります。

しかし、家庭犬として相談を受けていると、

「人が好きすぎて、散歩中に誰にでも飛びつこうとします」

というケースもあります。

例えば、若いラブラドールが来客を見るたびに大興奮していたケースでは、最初は飼い主さんもリードを引っ張って止めるだけでした。

Before:
来客を見る→興奮→飛びつく→強く止められる

という流れです。

そこで、「人が来たら飼い主を見る」「落ち着けたら褒めてもらえる」という練習へ変更しました。

すると、

After:
来客を見る→飼い主を見る→待つ→褒められる

という流れが少しずつ作れるようになりました。

つまり、人好きという犬の性格も、環境や教え方によって行動の表れ方が変わります。

ゴールデン・レトリーバー

ゴールデン・レトリーバーも、人と活動することを好む傾向が見られる犬種です。

一方で、初心者向けの犬として「優しそうだから飼いやすい」と考えるのは少し注意が必要です。

大型犬なので、若いうちに散歩で強く引っ張れば、飼い主さんにかかる負担も大きくなります。

実際に、

「子犬のころはかわいくて飛びつきも許していたけれど、30kg近くなったら受け止められなくなった」

という相談は、大型犬では決して珍しくありません。

そのため、犬種別の飼い方を考える際は、「穏やかな犬種と言われているから大丈夫」ではなく、成犬時の大きさ・運動量・興奮したときのコントロールまで考えることが大切です。

スタンダード・プードル

プードルというとトイ・プードルを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、スタンダード・プードルは体が大きく、人とのコミュニケーションを取りながら行動することを好む個体もいます。

ただし、反応が早い犬は、周囲の刺激にも敏感に反応することがあります。

そのため、単純に「頭が良い=しつけしやすい犬」とは限りません。

家庭犬でも、飼い主さんが知らないうちに望ましくない行動を学習させてしまうことがあります。

例えば、犬が吠えるたびに飼い主さんが抱っこしていた結果、

「吠える→抱っこしてもらえる」

という流れを覚えてしまうケースです。

犬の理解が早いほど、人が教えたいことだけでなく、教えるつもりがなかったことまで覚える可能性があります。

これが、犬のしつけのおもしろさであり、難しさでもあります。

3.介助犬認定から家庭犬の飼い主が学べる3つのこと

介助犬を目指す犬と一般家庭で暮らす犬では、役割も必要な訓練も異なります。

そのため、愛犬を介助犬と同じように訓練する必要はありません。

しかし、介助犬の考え方には家庭犬との暮らしに生かせるヒントがあります。

犬種より「その犬自身」を見る

犬種ごとの特徴は、犬を選ぶときの参考になります。

しかし、「ラブラドールだから穏やか」「小型犬だから初心者でも簡単」と決めつけないことが重要です。

犬の性格には個体差があります。また、育った環境、経験、飼い主との関わり方などによっても行動は変わります。

したがって、初心者向けの犬を探すときは、

  • 犬の大きさ
  • 運動に必要な時間
  • 人や犬への反応
  • 興奮のしやすさ
  • お手入れに必要な時間
  • 飼い主の生活スタイル

まで確認すると、ミスマッチを減らしやすくなります。

「家でできる」から一歩進める

犬のしつけで初心者が失敗しやすいのが、家の中で成功した段階で「覚えた」と考えてしまうことです。

例えば「マテ」が家でできたら、次は静かな玄関、その次は人の少ない屋外というように、少しずつ環境を変えます。

いきなり人や犬がたくさんいる公園で成功させようとすると、犬にとって難易度が上がりすぎる場合があります。

これは現場でもよく感じます。

「家ではいい子なのに外では別犬です」という相談では、犬が悪いというより、外で練習する段階を十分に作っていなかったケースが少なくありません。

健康管理も「働ける・暮らせる」ための大切な条件

介助犬の認定申請では、獣医師による予防接種や健康診断などの記録も必要になります。

また、認定後も健康管理は重要です。

家庭犬でも同じで、急に散歩を嫌がる、触られることを嫌がる、今までできていた動作を嫌がるといった変化があったとき、すべてを「わがまま」「しつけ不足」と考えるのは避けたいところです。

体調や痛みが行動に影響している可能性もあるため、気になる変化が続く場合は獣医師へ相談しましょう。

しつけと健康を切り離して考えないことは、家庭犬と長く快適に暮らすうえでも大切です。

■トレーナーからの一言アドバイス

介助犬について知ると、「うちの犬には絶対無理」と感じる飼い主さんもいるかもしれません。

しかし、家庭犬には家庭犬の役割があります。

トレーナーとしてよく受けるのが、

「他の犬はちゃんとできているのに、うちの子だけ落ち着きがありません」

という相談です。

けれども、比較する相手は他の犬ではありません。

昨日は来客に10回吠えていた犬が今日は5回で飼い主さんを見られた。以前は散歩中ずっとリードを引っ張っていた犬が、数メートルだけでも横を歩けた。

それも立派な変化です。

犬種の一般的な性格を知り、そのうえで目の前の犬を観察する。

これが犬種別の飼い方や犬のしつけで、私が特に大切にしている考え方です。

介助犬も「優秀な犬だけで完成する」のではなく、人との関係や必要な訓練を積み重ね、使用者との適合も含めて確認されます。

家庭犬も同様に、その犬と家族に合った小さな目標から始めてみてください。

介助犬は、特定の動作ができるだけではなく、必要な訓練と使用者との合同訓練を経て、指定法人による認定を受けます。

そして家庭犬の飼い主さんに特に知ってほしいのは、犬種名だけで犬の性格やしつけやすさを判断しないことです。

犬種ごとの特徴は大切な目安ですが、個体差もあります。

「飼いやすい犬種を選べば大丈夫」と考えるのではなく、自分の生活と犬の性格が合っているかを考えることが、快適な共生への第一歩です。

「犬種に合ったしつけ方法が分からない」「散歩の引っ張りや吠えが改善しない」「これから犬を迎えたいけれど、自分に合う犬種が分からない」という方は、一人で抱え込まず専門家への相談も検討してみてください。

問題が大きくなってからではなく、「ちょっと困った」の段階で相談することが改善への近道になる場合があります。

当ブログでは、犬種別の飼い方や犬の性格、初心者向けの犬のしつけについても紹介しています。関連記事もぜひ参考にしてください。

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Life Design Plus 代表 佐藤 篤

柏市を起点に犬のしつけの学校及び不動産コンサルティング業務を展開する会社です。
犬のしつけは、家庭小型犬をメインに出張トレーニングとオンラインを併用したコースしつけ指導を行っており、不動産コンサルティング業務は、不動産鑑定をメインにその他周辺業務を行っています。

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