ペットと住まいの寄り添いコンサルタント 佐藤👨です。
千葉県柏市を起点に、家庭小型犬を中心としたワンちゃんのしつけの学校。
他にあまりない飼い主様への犬知識提供のオンラインセミナーと併せ、陽性(褒める)トレーニングによる伴走出張しつけ指導を行っています。

「犬のリードは短いほうが安全?それとも長いほうが楽しい?」と迷ったことはありませんか。
散歩中に引っ張られる、ほかの犬へ急に近づく、伸縮リードをどこまで伸ばしてよいか分からない、といった相談は現場でもよくあります。
リードは長さだけでなく、場所や犬の性格、しつけの段階に合わせて使い分けることが大切です。短すぎれば犬が窮屈になり、長すぎれば急な飛び出しへの対応が遅れることもあります。
この記事では、普段の散歩・人通りの多い場所・広場での練習という3つの場面から、初心者でも判断しやすいリードの長さと持ち方を、トレーナーの経験を交えて解説します。愛犬との散歩を「引っ張り合いの時間」から、安心して一緒に歩ける時間へ変えるヒントにしてください。
1.普段の散歩では「約1.2〜1.8m」を目安に考える
犬のリード選びで最初に覚えてほしいのは、「長ければ自由、短ければ安全」と単純には決められないということです。
一般的な住宅街などを歩く場合、私はまず1.2〜1.8m程度の固定式リードをひとつの目安としておすすめしています。
ただし、これは法律などで決められた絶対的な数字ではありません。犬の大きさ、犬 性格、飼い主さんの身長、歩く場所によって使いやすい長さは変わります。
例えば、トイプードルのような小型犬では、飼い主さんとの高さの差があります。短すぎるリードをピンと張った状態で歩くと、犬が少し匂いを嗅ごうとしただけでも首やハーネスに力がかかりやすくなります。
一方、大型犬では同じ長さでも行動できる範囲が大きく感じられます。
そのため、
・普段はリードが軽くたるむ
・犬が飼い主の近くを歩ける
・必要なときはすぐ短く持てる
この3点を確認してください。
【よくある失敗例】
初心者の飼い主さんから、
「引っ張るので、ずっと短く持っています」
と言われることがあります。
しかし、常にリードを強く引いていると、犬も反対方向へ力を入れ、結果として飼い主と犬がずっと綱引きをしているような散歩になるケースがあります。
以前相談を受けた小型犬でも、Beforeでは玄関を出た瞬間からリードがピンと張り、飼い主さんが「ゆっくり!」と何度も声をかけていました。
そこで、リードを必要以上に引っ張らず、犬が飼い主の近くを歩いた瞬間に褒める方法へ変更。
Afterでは、数週間の練習を重ねるうちに飼い主さんを見る回数が増え、リードがたるんでいる時間も長くなりました。
つまり、犬 しつけでは「短く押さえ込む」のではなく、「どこを歩けばいいか教える」ことが重要なのです。
2.人や自転車が多い場所ではリードを短めに管理する
普段1.5m前後のリードを使っていたとしても、すべての場所でその長さをいっぱいまで使う必要はありません。
例えば、
・狭い歩道
・交差点
・人とのすれ違い
・自転車が通る場所
・ほかの犬とすれ違う場面
では、犬を自分の近くへ寄せ、リードを短めに管理するほうが安全です。
環境省も、伸縮できる散歩用リードや長いリードについて、歩道など人が通る場所では短くし、突発的な事故が起きないよう管理するよう案内しています。
特に注意したいのが伸縮リードです。
伸縮リード自体が悪いわけではありません。しかし、住宅街で数メートル先まで犬を歩かせていると、自転車やランナーが近づいたとき、すぐ犬を自分の近くへ戻せない場合があります。
【柴犬の例】
柴犬の飼い主さんからよく聞くのが、
「ほかの犬を見つけると急に止まります」
「突然、反対方向へ行こうとします」
という相談です。
もちろん、すべての柴犬が同じ行動をするわけではありません。犬種ごとの特徴だけで性格を決めつけず、その犬自身の反応を見ることが大切です。
例えば、犬同士の距離を取りたがる子なら、相手が近づいてから慌ててリードを引くより、早めに距離を確保します。
人や犬とのすれ違いでは短めに管理し、静かな場所へ移動したら少し余裕を持たせる。
このように場所によってリードの長さを変えることも立派な犬 しつけです。
「うちの子、散歩が下手なのかな」と落ち込む必要はありません。
犬が興奮する距離や苦手な状況を飼い主さんが理解すると、散歩はかなり変わります。
3.広場での練習なら5〜10m程度のロングリードも便利
一方、安全を確保できる広い場所では、ロングリードが役立つことがあります。
私がよく使うのは、5〜10m程度のロングリードです。
例えば、
・「おいで」の練習
・飼い主から少し離れて遊ぶ練習
・匂い嗅ぎ
・ボール遊び
・犬に自由度を与えたいとき
などに活用できます。
ただし、ロングリードは普段の歩道を歩くためのリードとは分けて考えるのがおすすめです。
周囲に人や犬がいる場所で10mいっぱいまで伸ばすと、リードが人の足に絡んだり、犬が勢いよく走って端まで到達した際に強い衝撃が加わったりする可能性があります。
また、ロングリードを手や指に巻き付ける持ち方も避けましょう。
【ラブラドール・レトリーバーの例】
ラブラドールなど体が大きく活動的な犬では、広い場所を使った練習が役立つことがあります。
実際に、
「家の周りを歩くだけでは元気が余ってしまいます」
という相談は珍しくありません。
あるケースでは、Beforeは散歩の後半になっても興奮が続き、飼い主さんへ飛びついたり、リードを噛んだりしていました。
そこで安全な場所でロングリードを使い、匂いを嗅ぐ時間や「おいで」の練習を取り入れました。
さらに、戻ってきたら褒めることを繰り返しました。
Afterでは、ただ長時間歩かせるだけだった頃より、飼い主さんとのやり取りが増え、
「最近、散歩中にこちらを見るようになりました」
という変化が見られました。
ここで重要なのは、単にロングリードへ交換したから改善したわけではない点です。
犬が考えたり、匂いを嗅いだり、飼い主とコミュニケーションを取ったりする時間を増やしたことが変化につながったと考えられます。
4.犬種別 飼い方より「その子の性格」も見る
「小型犬なら短いリード、大型犬なら長いリード」と思われることがありますが、私は犬種や体格だけで決めることはおすすめしていません。
同じトイプードルでも、飼い主さんの横をゆっくり歩く子もいれば、鳥を見つけると走り出す子もいます。
同じ柴犬でも、ほかの犬が好きな子と距離を取りたい子がいます。
つまり、犬種別 飼い方を参考にしながらも、最終的には犬 性格と普段の行動を見る必要があります。
特に初心者向け 犬として紹介される犬種でも、リード練習が不要になるわけではありません。
「飼いやすい犬種=何もしなくても上手に散歩できる犬」ではないからです。
また、しつけしやすさも犬種だけでは判断できません。年齢、経験、生活環境、飼い主とのコミュニケーションなどによって行動は変化します。
なお、首や関節などに持病がある場合、リードや首輪、ハーネスの選び方については自己判断せず、獣医師へ相談してください。
5.結局、何mを選べばいい?初心者向けの目安
最初の一本で迷っているなら、普段の散歩用として1.2〜1.8m程度の固定式リードから検討すると扱いやすいでしょう。
そして用途を分けます。
・普段の散歩:1.2〜1.8m程度を目安
・人混み・交差点:手元で短く管理
・広場での練習:5〜10m程度のロングリード
・伸縮リード:周囲の安全を確認し、歩道では短く管理
数字はあくまで目安です。
重要なのは「何mのリードを買ったか」より、その場面で犬を安全にコントロールできる長さに調整できているかです。
また、自治体や施設によって犬の散歩に関するルールが定められている場合があります。利用する公園などのルールも事前に確認しましょう。
■トレーナーからの一言アドバイス
現場でとても多い相談が、
「リードを短く持っているのに引っ張ります」
というものです。
リードを短くすれば、犬が自動的に横を歩くようになるわけではありません。
まずは静かな場所で、犬が自分から飼い主の近くへ来た瞬間に「いいね」と褒めてみてください。そして、リードがたるんだ状態で一緒に数歩歩けたら、また褒めます。
リードは犬を引っ張って動かす道具ではなく、万が一の飛び出しを防ぎながら、一緒に歩くための安全装置と考えると分かりやすいでしょう。
最初から完璧な散歩を目指す必要はありません。
昨日より少しリードがたるんだ、名前を呼んだら一度振り向いた。それも十分な変化です。
犬のリードの長さには、すべての犬に共通するひとつの正解があるわけではありません。
普段の散歩では扱いやすい固定式リードを使い、人や自転車が近い場所では短く管理する。一方、安全な広場で「おいで」などを練習するときにはロングリードを活用する。
この使い分けがポイントです。
そして、犬種ごとの特徴だけで決めず、愛犬の性格・体格・興奮しやすさ・散歩環境を観察することも忘れないでください。
リードの使い方が変わるだけでも、散歩中の飼い主さんの安心感は変わります。
「散歩のたびに引っ張られて疲れる」
「ほかの犬を見ると制御できない」
「うちの犬にはどの長さが合うの?」
そんな悩みが続く場合は、リードだけの問題ではなく、歩き方や犬とのコミュニケーションを一緒に見直してみましょう。
愛犬の引っ張り、飛びつき、犬への吠え、散歩中の興奮などでお困りの場合は、一頭ごとの性格や生活環境に合わせたしつけ相談をご検討ください。
「こんなことで相談していいのかな?」という段階でも大丈夫です。問題が大きくなる前に散歩の様子を見直すことで、改善方法が見つかることがあります。
関連記事として、**「犬が散歩で引っ張る原因と改善方法」「首輪とハーネスはどちらがいい?」「犬種別 飼い方と犬種ごとの特徴」**もあわせて読むと、愛犬に合った散歩方法を考えやすくなります。
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