ペットと住まいの寄り添いコンサルタント 佐藤👨です。
千葉県柏市を起点に、家庭小型犬を中心としたワンちゃんのしつけの学校。
他にあまりない飼い主様への犬知識提供のオンラインセミナーと併せ、陽性(褒める)トレーニングによる伴走出張しつけ指導を行っています。

「昨日まで普通に歩いていたのに、急に抱っこを嫌がる」「ソファから降りたあと、後ろ足がふらついている」。
犬の椎間板ヘルニアは、こうした身近な変化から気づくことがあります。特にダックスフンドなどは注意したい犬種として知られていますが、実はほかの犬種でも起こる可能性があります。
初心者の飼い主さんほど、「痛がっていないから大丈夫?」「散歩は休ませるべき?」と判断に迷うものです。この記事では、犬の椎間板ヘルニアの初期サイン、注意したい犬種ごとの特徴、家庭でできる負担軽減、犬のしつけで意識したいポイントを、ドッグトレーナーの現場目線で分かりやす解説します。愛犬の小さな変化に早く気づき、毎日の暮らしを見直すための参考にしてください。
1.犬の椎間板ヘルニアとは?まず知っておきたい初期サイン
犬の椎間板ヘルニアは、背骨の間にある「椎間板」が変化し、飛び出した組織などが脊髄や神経を圧迫することで、痛みや歩き方の異常、麻痺などを起こす病気です。
症状は発生した場所や神経への影響によって異なります。そのため、「この症状なら必ずヘルニア」と家庭で判断することはできません。
例えば、次のような変化がみられることがあります。
・抱き上げたときに「キャン」と鳴く
・階段や段差を嫌がる
・背中を丸めて動こうとしない
・散歩に行きたがらなくなる
・後ろ足がふらつく
・足先を引きずるように歩く
・立ち上がれない、歩けない
特に、急に立てなくなった、足が動かない、排尿がうまくできないといった神経症状が疑われる場合は、様子を見続けず、早めに動物病院へ相談することが重要です。
「元気がないだけ」と思っていた相談例
トレーニングの相談でも、「急に散歩を嫌がるようになりました」という話を聞くことがあります。
飼い主さんは、
「最近わがままになったのかな?」
「年齢のせいでしょうか?」
と考えてしまいがちです。
しかし、犬は言葉で「腰が痛い」と伝えられません。そのため、動きたくないという行動を、犬の性格や犬のしつけの問題だけで判断しないことが大切です。
普段できていたことを突然嫌がる場合は、まず体調面を疑う視点も持ってください。
2.椎間板ヘルニアに注意したい犬種3例
「犬種によってヘルニアになりやすさは違うの?」という質問はよくあります。
実際、椎間板の変性が起こりやすい犬種が知られています。一方で、該当する犬種だから必ず発症するわけではなく、該当しない犬なら安心というわけでもありません。
犬種別 飼い方を考える際は、犬種ごとの特徴を理解しながら、その子自身の体格、年齢、生活環境を見ることが重要です。
① ミニチュア・ダックスフンド
椎間板ヘルニアで特によく知られている犬種です。ダックスフンドを含む特定の犬種は椎間板疾患の影響を受けやすいと説明されています。
胴が長く足が短い体型のため、飼い主さんからは、
「ソファへのジャンプが大好きなんです」
「階段も自分で上り下りさせています」
という話をよく聞きます。
しかし、毎日の生活では高い場所から何度も飛び降りる習慣を減らすなど、背中への負担を考えた環境づくりが大切です。
例えば、ソファの前に犬用ステップを置くだけで終わらせず、「ゆっくり降りる」「勝手に飛び降りない」という習慣まで教えると安全管理につながります。
② フレンチ・ブルドッグ
フレンチ・ブルドッグも椎間板疾患に注意したい犬種の一つとして挙げられています。
活発で遊び好きな犬も多いため、興奮するとソファから勢いよく飛び降りたり、室内を走り回ったりすることがあります。
ここで重要なのが犬 性格に合わせた環境管理です。
元気な犬を「動かしてはいけない」と考えるのではなく、滑りやすい床を見直したり、高い場所への飛び乗り・飛び降りを減らしたりして、無理な動きを繰り返しにくい環境を作ります。
③ ビーグル
ビーグルも椎間板疾患への注意が必要とされる犬種です。
ビーグルは食べ物への関心が強い個体もいるため、トレーニングではおやつが大活躍します。しかし、そこで注意したいのが体重管理です。
「しつけのたびにおやつをあげていたら、いつの間にか太っていました」
これは初心者の飼い主さんに珍しくない失敗です。
おやつを使う場合は、小さく分けたり、一日の食事量とのバランスを考えたりしましょう。
初心者向け 犬の情報では「飼いやすさ」だけが注目されがちですが、犬種ごとの健康面まで知っておくことも大切です。
3.家庭でできる対策と犬のしつけ
椎間板ヘルニアには、これをすれば絶対に防げるという予防方法はありません。アニコムの獣医師監修記事でも、絶対的な予防法はないとしたうえで、体重管理や段差への配慮などが紹介されています。
そのため、家庭では「絶対に発症させない」ではなく、背骨への不要な負担を減らし、異変に早く気づく暮らしを目指しましょう。
初心者でも実践しやすいポイント
・フローリングなど滑りやすい場所を見直す
・ソファやベッドからの飛び降りを減らす
・階段を自由に往復させないよう工夫する
・適切な体重を維持する
・抱っこするときは体全体を安定させる
・毎日の歩き方や姿勢を観察する
ただし、すでに痛みや歩行異常がある犬に、自己判断で運動やマッサージを行うのは避け、獣医師へ相談してください。
Before→After:ジャンプを叱るより環境と行動を変える
よくあるのが、ソファから飛び降りるたびに、
「ダメ!降りちゃダメ!」
と叱っているケースです。
Before
犬がソファに乗る
↓
突然飛び降りる
↓
飼い主さんが叱る
↓
翌日も同じことを繰り返す
これでは犬にとって「どうすればいいのか」が分かりにくい場合があります。
そこで、犬が勝手に飛び降りにくい環境を作り、「待って」「ゆっくり」など家庭で使いやすい合図を練習します。
After
犬がソファで待つ
↓
飼い主さんが安全を確認
↓
落ち着いて移動する
↓
できたら褒める
このように、犬 しつけは単に「禁止する」だけではありません。
安全な行動を犬に分かりやすく教えることも、暮らしを整えるしつけの一つです。
4.「飼いやすい犬」「しつけしやすい犬」なら安心?
結論として、犬種だけで「飼いやすい」「しつけしやすい」と決めるのはおすすめできません。
同じ犬種でも犬 性格には個体差があります。
例えば、同じダックスでも、おっとりしている犬もいれば、活発で何度止めてもソファへ飛び乗ろうとする犬もいます。
また、初心者向け 犬として紹介される犬種であっても、運動量、吠えやすさ、お手入れ、病気への注意点などはそれぞれ異なります。
したがって、犬種別 飼い方では、
「犬種の傾向+その犬の性格+家庭環境」
の3つをセットで考えることが大切です。
■トレーナーからの一言アドバイス
現場で特に気になるのは、「できていたことを急にしなくなった=しつけの問題」と考えてしまうケースです。
「散歩に行きたがらない」
「抱っこを嫌がる」
「階段の前で止まる」
こうした変化には、怖さや学習の問題が関係している場合もあります。しかし、痛みなど身体的な原因が隠れている可能性もあります。
そのため、急な行動変化が見られたときは、無理にトレーニングを続けるより、まず健康状態を確認することが大切です。
そして、動物病院で運動について指示を受けている場合は、獣医師の指示を優先してください。
「まだ歩けるから大丈夫」と決めつけず、いつもと違う動きを見逃さないこと。
それが飼い主さんにできる、とても大切な健康管理です。
犬の椎間板ヘルニアは、痛みだけでなく、ふらつきや麻痺などにつながることがある病気です。
特にダックスフンド、フレンチ・ブルドッグ、ビーグルなど、注意したい犬種も知られています。しかし、犬種だけで発症する・しないを判断することはできません。
また、家庭では段差、滑る床、体重、抱っこの方法、ジャンプの習慣などを一度見直してみましょう。
そして何より重要なのは、愛犬の「いつもと違う」に気づくことです。
昨日まで上れた段差の前で止まる。抱っこすると嫌がる。歩き方が少しおかしい。
そんな小さな変化を「気のせい」で終わらせないことが、早めの受診につながります。
「ソファから何度も飛び降りてしまう」
「興奮すると室内を走り回って止められない」
「腰への負担を考えたしつけ方法を知りたい」
このようなお悩みがあれば、愛犬の性格や生活環境に合わせたしつけ相談をご活用ください。
なお、痛み・ふらつき・麻痺など身体的な異常が疑われる場合は、しつけ相談より先に動物病院を受診しましょう。
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